世界の製品の製造は、通常、多国籍企業(多国籍企業)と中小企業(SME)で形成されたサプライチェーンにより行われています。しかし、非常に多くの中小企業にとって、世界各国の様々な環境規制に対応することは大きな課題となっています。
標準以下の品質の製品、ビジネス、資源の浪費や環境汚染による損失など、-環境規制の要件に対処することができない結果は、中小企業のさまざまな問題につながります。また中小企業が環境規制の要件を満たせない場合、多国籍企業も損害を被ります。

Global Enviro-Legal Portal (GELP) は、サプライチェーンのグリーン化を促進することによりクリーンな製品やグリーン市場を推進し、関連する環境規制に関する正確な情報を世界中のメーカーとそのサプライヤーに提供するために開発されています。

GELPは、以下に説明する3種類のインターフェイスで構成されています。

文書管理システム

文書管理システムは、製品に特に係る環境規制情報文書を簡単に検索できるデータベースです。システムは環境法規のリンク先を示すだけではなく、各国の環境省や部門、裁判所の判決等によって発行された、特定の製品に関連するエコラベルやガイドラインを表示します。

対象製品の例としては、衣料、電池、食品、洗剤、玩具、電気電子製品、建設資材、などが含まれています。また、このデータベースに含まれる規制情報には、グリーン購入法、REACH規則、RoHS規制のような化学物質規制、WEEE指令のような廃電気電子規制、商品の省エネ規制、製品設計に関するErP規制、エコラベルに関する規則・情報、リサイクル規制、包装・包装材規制等などが含まれます。

文書管理システムは、無料でアクセスすることができます。

法律・規則の例

グリーン購入法(日本国)

正式名称:国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律
= Law Concerning the Promotion of Procurement of Eco-friendly Goods and Services by the State and Other Entities

【概 要】

同法は、国等の公的機関が率先して環境物品等(環境負荷低減に資する製品・サービス)の調達を推進するとともに、環境物品等に関する適切な情報提供を促進することにより、需要の転換を図り、持続的発展が可能な社会の構築を推進することを目的とします。

RoHS指令

正式名称:Restriction of the use of the certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment
= 電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令

【概 要】

特定有害化学物質の使用制限を目的とし、EU域内で基準値を超えた電気・電子機器の販売を規制する指令です。規制の対象となる物質は「水銀」、「カドミウム」、「鉛」、「六価クロム」、「PBB(ポリ臭化ビフェニール)」、「PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)」の6物質です。

WEEE指令

正式名称:Waste Electrical and Electronic Equipment
= 電気・電子機器の廃棄に関する欧州議会及び理事会指令

【概 要】

電気・電子機器の廃棄に関する指令で、EU域内で電気・電子機器を販売するメーカーは、各製品が廃棄物として環境に悪影響を与えないよう配慮する必要があり、回収・リサイクル等についても製造者責任を有し、回収やリサイクルが容易な製品設計やマーキングをするとともに、回収・リサイクル費用の負担などが 求められます。

ErP指令

正式名称:Directive on Ecodesign requirements for Energy-related Products
= エネルギー使用製品に対するエコデザイン要求事項の設定のための枠組み指令

【概 要】

製品のライフサイクル(原材料の調達から製品の製造、使用、再使用、廃棄)全体の環境負荷が小さくなるよう配慮した設計を要求する指令です。現在、テレビやコンピューター、ボイラーなどの「エネルギー使用製品」を対象に具体的な要件の策定が進められています。

REACH規制(2007年6月施行)

正式名称:Registration,Evaluation,Authorisation and Restrictions of Chemicals

【概 要】

EU域内で販売されるほぼ全ての化学物質について安全性評価を義務付け、その情報を登録させるものです。「生産者責任」と「予防原則」の徹底が目的で、これまで規制対象外だった10万件の既存化学物質にまで規制が拡大され ます。REACH規則は全ての産業に適用されるので、RoHS指令等に無関係だった企業も無関心でいられなくなる可能性が高いと言えます。

自己評価フォーム

名前が示すように、自己評価フォームは、自社の製品が、特定の環境法規制または自主基準によってもたらされる環境規制要件に適合しているかチェックすることができます。メンバーは、GELPからの自己評価フォームをダウンロードし自己評価して、ポータルに提出します。メンバーは回答に基づいて、製品の法律/標準にたいしての遵守状況を、レポートとして受け取ることができます。

また報告書により、メンバーが製品の準拠状況を理解し、どのように改善すべきか助言を受けられます。 自己評価フォームは、現在開発中です。このサービスはGELPのメンバーにわずかな費用で提供される予定です。

Ask an Expert - エキスパートに質問

環境規制に関する-法律の専門家からのサービス利用を希望する会員はGELPで提供される“エキスパートに質問”の機能を利用することができます。メンバーは、環境規制情報に係る質問を投稿し、指定した期間内に専門家からの回答を受け取します。また、過去に環境規制情報に関して寄せられた問題とその回答を集めたFAQデータベースも検索することができます。

サービスは現在開発中ですが、将来GELPのメンバーにわずかな費用で提供される予定です。